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バイオセンサー国際連携探索

■対象大学 (国際シンポジウムに招聘、学生留学)
スイス連邦工科大学チューリヒ校
バイオエレクトロニクス研究所 所長
Janos Voeroes 教授

■本学担当教員
電気電子工学系
野田 実 教授

融合領域であるバイオセンサー研究で国際連携

EU屈指の工科大学
スイス連邦工科大学チューリヒ校

スイス連邦工科大学チューリヒ校は、スイスで最も有名な大学の一つで、古くはレントゲンやアインシュタイン、比較的最近ではプローブ顕微鏡のビニッヒとローラーなどのノーベル賞受賞者を20人以上も輩出するなど自然科学の分野で大きな成果を上げています。大学のシステム自体も日本とは大きく異なり、一定の資格を有していれば試験なしで入学できるという特徴があります。もちろん、そこで学位を取得するには厳格なプロセスがあります。開かれた校風もあり、外国人留学生の割合が非常に多いということも特徴です。
独立性の高い研究所を多数有しており、そのうちの一つであるバイオエレクトロニクス研究所(Laboratory of Biosensors and Bioelectronics)では、バイオや材料、エレクトロニクスなどの分野を融合させ、Janos Voeroes教授を所長に、多数の教員・研究者を擁して研究を行っています。

学生の短期留学、
国際的・最先端の融合領域研究を体感

本学の野田研究室では、半導体デバイスと有機分子の融合によるバイオセンサーの研究開発を行っており、この分野で最先端をいくVoeroes教授の研究所に、2016年の8月に学生が短期留学をしており、新しい知見や技術の習得を行っています。

バイオセンサーの国際シンポジウムの開催

2016年1月に、所長のJanos Voeroes教授を招いて、「ナノ・マイクロデバイスのバイオメディカル領域イノベーションへの挑戦」というテーマで国際シンポジウムを実施しました。大学や分析機器メーカーの研究者など学内外から70名の参加がありました。

写真1 講演するVoeroes教授とシンポジウムの様子

生体分子の特異性と、マイクロデバイスの融合

微量な生体分子などを検出するには、例えば半導体加工技術で作製したマイクロカンチレバー振動子で、吸着量によって歪ゲージ抵抗や共振周波数の変化が起こるため、そこから情報を得ることができます。
一方、生体分子の特異性を検出するには、生体内で行われている分子認識などをデバイスにうまく組み込むことが効果的です。
例えば、アルツハイマーなど脳組織の病気に重要な役割を果たしているアミロイドβ(Aβ)という変性タンパク質がありますが、Aβを高精度に検出することは、これらの難病の早期治療に貢献すると考えられます。
球状の脂質二分子膜であるリポソームは、Aβと特異的な相互作用があることが知られていますが、カンチレバーの表面にリポソームを固定化することで、単なるカンチレバーだけの場合と比べて、分子特異的、高感度にAβを検出することを可能としています。